四国みぎした鉄道紀行
47都道府県で唯一の「鉄道電化ゼロ県」を周遊
乗りこむと、すぐに発車。引き続き海岸線を走るものの、今度はトンネルばかりだ。まるで地下鉄のような感じだ。いくつもトンネルをくぐるうちに雨が降り出してきた。ひとつだけの中間駅である宍喰(ししくい)を過ぎると、またしてもトンネル。意外に長いトンネルで抜けると終点の甲浦(かんのうら)。駅名標を見ると高知県と書いてある。トンネルが県境になっていたようだ。徳島県内だけの鉄道旅行かと思いきや、高知県まで来てしまったとは意外だった。高架線上にホームがあり、ポツンと線路が途切れたような未完成な終着駅。計画では室戸岬をまわって、ごめん・なはり線とつながり高知へ向かうはずだったのだが、もう実現することはないだろう。
傘を差して、高架下にある駅舎で折返し列車が出発するまでの30分程を過ごす。案内所を兼ねた施設に係の女性が2人いて、それほど寂しい感じはしなかった。僅か1人の乗客を乗せたバスを見送る。時間があれば、そのバスで室戸岬を訪れたかったのだが、またの機会の楽しみに取っておこう。ともあれ、牟岐線全線に乗ったことで、JR四国の路線は全線完乗となった。晴れ晴れとした気分で、徳島方面へ戻ったのである。
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